為替の変動要因に関するメモ
先日、為替が本来は貿易収支が主因で決まるという旨の話を聞いて、ちょっと気になったのでいろいろ調べてメモしておくことにした。中長期的な話に限定して調べる。
為替の変動要因としては、中長期的には金利差・貿易収支・物価変動があげられる(らしい)。ここでは金利差と貿易収支のどちらが大きな影響を与えるのかを考えることにする。
貿易収支
まず日本の貿易収支の推移を表すグラフを作ってみた。データは
年別輸出入総額の推移表(1950年以降) : 財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan
から取ってきた。
輸出ー輸入をプロットしている。これを見ると多い時には15兆円近い規模の貿易黒字を出していたことがわかる。
金利差
金利差でマネーが動くといえば国債が考えられるので、国債がどのくらい海外から買われるのかを調べればよさそうだ。
のデータを見ると海外勢は主に短期国債を買っているようだとわかる。直近では年間15兆円くらいのペースで買っているが、ここ10年くらいのデータを見ると年間6兆円程度しか買っていない時期もある。全体を見るとたくさん買い込んだりそこまで買わなかったりの時期を交互に繰り返しているように見える。昔のデータが見当たらないので日本が貿易黒字をたくさん出していたころとの比較ができないのが残念だ。仕方がないので目視で過去の傾向を予想してみたが、増減のペースが一定とすると4年くらいさかのぼると国債保有額が0近くまでくるようだったので、昔はもっとペースが緩やかだったと考えられる。年間2,3兆円くらいだろうか。あるいは国債が過去にたくさん売られ続ける時期があったとも論理的には考えられるが某国じゃあるまいしそんなことはないだろう。
結論
昔の国債購入額が年間2兆円程度だとしたら、貿易収支で為替が決まると考えるのは筋が通っている。今は貿易収支の金額より国債購入額のほうがはるかに多いので本来の在り方とは逆になっているのだろう。